年末調整って、何を調整するの?その3
忙しさから解放されて、やっと訪れたのんびりできる週末。
久々に更新でございます。
今回は、「収入と所得」のハナシ、「扶養控除」の具体例をご紹介します。
1.収入と所得
前回にて、「収入」と「所得」二通りの言葉が出てきたかと思います。
まずは、こちらを解説していきます。
そのまま解説してもわかりにくいので、まずはお商売の基本から考えてみましょう。
たとえば、100円の商品を仕入れてきて、それが130円で売れたとしましょう。
このとき、利益(もうけ)は、
利益 = 売り上げ - 仕入れ
30円 = 130円 - 100円
と計算できますね?
これを税金の計算に置き換えます。
いわゆる個人事業主の方の計算を例にします。
先ほどの表を参考にすると、税法の世界では、
売り上げ=収入
仕入れ=経費(収入を得るためにかかったお金)
と呼ばれます。
そして、この2つの項目から、「所得(事業所得)」を計算し、税率をかけて税額を決定します。いろいろ細かい処理があるのですが、それは考えないでも大丈夫です。
その所得の計算がこちら。
所得 = 総収入 - 経費
30円 = 130円 - 100円
どこかで見たことありますね。
つまり、収入から必要経費を差し引いた、「利益」に相当する部分に、税金がかかる!
というわけなのです。
「企業に勤めて給料を得ているよ」という人は、働くのに必要なもの、たとえば机やボールペンなどは、勤めている会社が買ってくれるのではないでしょうか。
そう、個人事業主のように、売り上げ(給料)を得るための費用は自分では出さない、ということです。(基本的にはそうです、よね?)
そこで、税法では、給料を得て生活している人は、得た収入の一定額を経費と見なします。それが「給与所得控除」です。
最低65万円が1年間の給料から差し引かれます。そこからは一定の割合で控除額が決まります。具体的な金額はこちら(国税庁HP)
だいぶ脱線しましたね。でもこの話が効いてきます。
2.「扶養控除」の具体額
では、話を戻しましょう。
扶養控除の要件をもう一度確認します。
所得者と生計を一にする親族(配偶者と青色専従者を除く)で、所得が38万円以下の人
でしたね。この解説は前回を参照ください。
ここでは、「所得」なので、計算をして収入額から変換させなければいけません。
所得38万円に、給与所得控除額の最低額65万円を足すと、103万円になります。
つまり、前回の「3行かみくだき」にまとめた、
「年間収入が103万円以内」という言葉に帰ってきます。
この、「収入」と「所得」の換算作業がちょいとややこしい。
会社の経理に渡されて、めんどくさいなあ…と考えもせず記入してしまうと、
経理の方が後で困るので、ちゃんと確認しながら記入しましょうね!
最後に、扶養控除で収入から差し引かれる金額をご紹介しておきます。
16歳未満:扶養控除なし
16歳以上19歳未満:38万円
19歳以上23歳未満:63万円
23歳以上70歳未満:38万円
70歳以上 :48万円
余談ですが、19歳以上23歳未満の範囲で控除額がちょいと多いのは、この年代で大学に進学することが多く、その学費など出費がかさむから政策的に優遇している、らしいです。
(まとめ)「扶養控除等(異動)申告書」なる書類を受け取ったら。
・まだまだ子どももいないし、結婚してないよってあなたは・・・
氏名、マイナンバー(同じ会社に在籍しているときは、一度記載すればOKです。)
生年月日、住所、配偶者の有無、そして最後に押印して提出しましょう!
将来、家族が増えたら・・・下記の通りです!
・年間収入が103万円以内の家族がいるぞってあなた
前述の、あなた自身の情報に加え、
「源泉控除対象配偶者」
「控除対象扶養親族(16歳以上)」
「16歳未満の扶養親族」
の各欄も忘れずに記載しましょう!
詳細は、ご自身の会社の経理担当、税理士さんにお尋ねください。
・自分は「学生」「障害者」のいずれかに該当するってあなた
「C 障害者、寡婦、寡夫または勤労学生」の欄の記載、証明書の添付などすることで、さらに控除(障害者控除、勤労学生控除)が受けられます。
詳細は、ご自身の会社の経理担当、税理士さんにお尋ねください。
(筆者は、税理士資格がないので、一般的な解説のみお受けします)