"お金の『基礎演習』"~20代FPが大阪から発信!20代のお金の教養講座~

大阪のファイナンシャルプランナー(AFP)、うえまっつんによるブログ。主に20代に向けた『お金の教養講座』『関西発!賢く暮らす知恵袋』を展開する傍ら、日々の暮らしを書いている。

複数から給与を受け取る人と年末調整

こんにちは、うえまっつんです。
(今回から、名乗ってみることにいたしました)

本職の仕事で扱ってるから、という理由で書き始めた年末調整の記事。
意外と反応があり、質問をいただくことがありました。
そういう反応が嬉しい限り。

今回は、質問の多かった項目:バイト掛け持ちのときはどうすんねん!
にお答えしていきますね。

*複数から給与を受けているときは、確定申告が必要*

結論からお伝えします。

複数から給与を受けているときは、確定申告が必要です。
原則として。

年末調整は、ひとつの会社等でしか受けられません。


国税庁は次のように説明しています。

No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(抜粋)
3 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

ここで出てくる、「主たる給与」とは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している会社などから受ける給料を指します。

「給与所得者の扶養控除等申告書」については、以前説明したとおりです。

この書類を出した給与以外の会社などから、所得で20万円=収入で85万円以上の給与をもらっている人は、確定申告をしなければ、最終の税額が確定しません。

 

この説明がだいぶヒントになっているかとおもいますが、

 

「給与所得者の扶養控除申告書」は、「主たる給与」に対してのみ提出できる・・・

つまり、いくつかの会社から給料をもらっているときは、その一つに対し、提出できる。ということです。

*どの会社を「主たる給与」とするか*

主たる給与とそうでない給与。違いは天引きされる税額です。
後者(そうでない給与)の方が、天引きされる割合が少し高くなります。

どの給与を「主たる」にするかは、特に決まりはありません。
わかりやすく対応するなら、「収入が最も多いバイト先」としたらいかがでしょ

うか。

ただいま年末調整の書類を提出するよう求められているかと思います。

  1. 「収入が最も多いバイト先」には、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出します。
  2. 「そのほかのバイト先」には、「ほかのバイト先に提出したので、乙欄適用でお願いします」とでも伝えてみてください。
  3. そして、来年2月~3月の期間、確定申告の受付をしています。申告書はインターネットでも作成できます。一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
  4. あ、「そのほかのバイト先」を合算して、85万円以上稼いでいる場合は必須です!
 

 

 

 

*年末調整とサラリーマン*

年末調整という制度は、「1つの会社に就職し、そこからのみ給与を得て生計を立てる」人が普通であった時代を色濃く反映させているといえます。

ほとんどの「社会人」は1つの会社に就職し、そこから給与を得て生計を立てる。そんな「社会人」に確定申告の義務を課したら、税務署や確定申告会場が人であふれかえる。
だからこそ、年末調整という制度で、「会社のなかで税額を確定させ、納め過ぎの税金があれば還付し、不足分は12月に天引きする。」仕組みを作ったのでしょう。

しかし、筆者は、全サラリーマンに「確定申告」を義務化すべきと考えます。

サラリーマンで生きていくと、知らぬ間に所得税を天引きされ、会社が代わって納税しているので、自分がいくら税金を納めているのか、という感覚がありません。また、昨今「副業解禁」の世の中で、「確定申告が必要な人」に該当するサラリーマンは増えているのではないでしょうか。

自分の稼ぎが実際(額面)ではいくらで、そのうちいくらを税金として納めている。
確定申告書の作成を通じて、それを実感できます。筆者は学生時代に実践して実感しました。

こうすることで、「税金高すぎ」なのか「もうちょっと取ってくれていいから市民サービス向上させて」なのか、感想を抱くでしょう。

これをどうもの申していくか。

税制を定めているのは国や地方で、国民は投票により、「それを決める立場の人たち」を選任できるのです。

昨今言われている投票率の低下、政治への関心の低さ・・・そういった課題に、風穴を開けることができるのではないでしょうか。

自分の稼ぎを自分で計算して、税金を納める―この一連の流れを、「納税の義務憲法)」の遂行のため、義務化してはいかがでしょうか。

【参考文献】
No.2520 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2520.htm

No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

 

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