振替輸送ってなんだ!知っておくと困らない、電車が止まったときの対応策
管理人は阪急京都線で通勤をしていますが、新年早々2日連続で電車が止まりました。
1月7日(月)朝の人身事故、8日(火)夕方の信号(ポイント)トラブル―。
そんなとき、鉄道会社は『振替輸送』という措置をとることがあります。
でも、頻繁にあることではないので、よくわからない人も多いはず。
ここで、勉強しておきましょう
【目次】この記事には、こんなことが書かれています。
振替輸送とは
振替輸送について、阪急電鉄のホームページには次のように書かれています。
当社線ご利用時に列車の運行不能等があった場合、他の鉄道会社に依頼し、運行不能区間を他の鉄道会社線等の経路によりご利用いただくことを「振替輸送」といいます。
簡単に言うと、「自社線が止まったときは、別の会社線で移動してよいですよ。別の会社線の運賃は要りません」ってなる制度です。
主に、鉄道会社が複数走っている大都市を中心に採られる措置です。
ここでは、主に関西地区の事情を解説いたします。
たとえばこんな感じ
1月8日(火)の事例で解説いたします。
阪急電鉄京都線の淡路駅でポイント故障が発生したため、阪急電鉄京都線・千里線がストップしました。(17:51頃)
運転のストップが長くなりそうだということで、振替輸送が実施されることになりました。(18:20頃から)
その知らせは、駅のアナウンス、HPで告知されます。
今回は、以下の路線での振替輸送となりました。
JR神戸線(大阪~新長田)
JR宝塚線・東西線(大阪・北新地~宝塚)
JR京都線(大阪~京都)
JR嵯峨野線(京都~嵯峨嵐山)
京都地下鉄(京都~四条)
大阪地下鉄(各接続駅より)
北大阪急行(全線)
京阪線(淀屋橋・中之島~三条)
大阪モノレール(蛍池~門真市)
京都市バス(四条河原町~西大路四条)
京都市バス(西大路四条~西大路駅前)
この「振替対象路線」は、事象の発生場所、影響の大小で変わります。(いくつかのパターンがあるようです)
事例別、振替を受けられる方法
ここでは、事例(どこで電車ストップの知らせを聞いたか)によって異なる、振替乗車の利用方法を解説します。
ここから、A電鉄=止まってしまって、『振替輸送』中になっている路線。B電車=振替対応になっている、A電鉄に並行して走る別の路線、として解説します。
1.電車に乗っている/駅で電車を待っているとき
・定期券を持っている場合(定期券区間内)
たとえば、こんな時。
・定期券を持っていて、「帰ろう~」と思って会社の最寄り駅にいたとき、「運転見合わせ、振替輸送」の知らせを聞いた。
こんなときは、そのまま改札を抜けましょう。
定期券区間内では、ICカードであっても改札の出入りが自由にできるので、そのまま出ましょう。
振替先『B電車』の駅に向かい、駅の改札で駅員さんに「定期券/ICカードの定期区間が書かれたところ」を提示すると、『振替乗車証』をくれるので、それを受け取って電車に乗車し、目的地を目指しましょう。
『振替乗車証』ってこんな感じ
こちらは、学生時代に通学に使っていたJRが止まり、阪急電車で振り替えたときのもの
・きっぷ、回数券、ICカードを持っている場合
定期券で通勤/通学のとき以外だったり、PiTaPaの定期券相当の割引サービス(Osaka Metroのマイスタイルなど)を使っている場合はこちらをご覧ください。
そのままでは改札口を抜けられないので、係員の指示に従って、『A電鉄』の駅から出ます。
※阪急電鉄でICOCA/PiTaPa/レールウエイカード(磁気カード)を使って改札へ入ったとき、「改札機を通り出場できる」という記述がありますが、実際にしたことがないのでわかりません。
※ちなみに、JR大阪駅では、列車の運転停止時などに改札機の設定を変更して(定期券区間でない)ICカードでもそのまま出られる措置があるようです。
駅から出たら、その切符、回数券、カードをもって『B電車』振替対応の駅に行き、改札の駅員さんに提示します。そして、振替乗車証を受け取って目的地を目指します。
ICカードを持っている場合は、ここに注意!
定期券以外のICカードだけでは、直前まで『A電鉄』に乗車していたことが証明できないので(今日も、自宅最寄り駅で駅員に止められている方を見かけました)、振替を受けられません。必ず「ICカード乗車券使用証明書」を駅員から受け取ってください。
2.電車に乗ろうと思ったら(改札に入る前に)止まっていた!というとき
・定期券を持っている場合
定期券は、「有効期間中、指定の区間を何度でも乗車できる」という契約の乗車券なので、振替輸送を受けられる条件はかなり緩いです。
たとえば、「さあ帰るぞ!」と会社を出るときにふとスマホをみたら、『運転見合わせ』の文字が。会社から直接『B電車』の駅に向かおう!という場合。
定期券であれば、電車がストップする「前」であっても「後」であっても、振替輸送の対応ができます。直接『B電車』の駅に向かい、振替乗車証をうけて電車に乗ることができます。
こういうときのために、鉄道の運行状況がわかるアプリをスマートフォンに入れておくと便利ですね。
・きっぷ、回数券、ICカードを持っている場合
改札に入る前で、電車が止まっていることを知った場合、振替輸送は受けられません。
すでに購入済みの切符は、払い戻しなど対応してもらえるかもしれませんので、駅員さんに相談しましょう。
3.注意事項
ICカードの場合の対応を説明したのですが、対象外になるICカードがあります。
これは主に関東で使われているものなので、関西人ではあまり使っていないと思われますが、念のためお知らせしておきます。
まとめ:定期券ってすごい
今回は、2日連続で電車が止まっていたことから端を発した、「振替輸送」の解説でございました。
管理人は、どうもこの「振替輸送」に当たることが多くて、すっかり慣れた段取りになってしまいました。笑 本当はそうでないほうがよいのですが。
今回記事をまとめていて思ったのは、「定期券ってすごい」ということ。
関西では、定期券に変わるサービスとして、「PiTaPa指定区間割引」など定期券相当のサービスがありますが、これらのサービスを利用している場合は、「定期券でない」ICカードの運用と同じルールになります。遅延や運転見合わせが多い路線では、定期券を利用しておく方がもしもの時に余分な出費をしないで済んで、よいかもしれませんね。
ちなみに、関東の鉄道各社の事例をちらっと見たのですが、「ICカード(定期券以外)」はそもそも振替対象外なんだそう。関西の場合は、「改札入ってんやから、補償せい」という考え方でもあるのでしょうか…笑
おまけ:新ネタ思いついた!
『鉄道からみる関西と関東』って、結構違うらしいです。とくに、お金の面で。
これは特集しないわけにはいきませんね。旅好きFPブロガーとしては、興味深い。笑
今後、特集します。