"お金の『基礎演習』"~20代FPが大阪から発信!20代のお金の教養講座~

大阪のファイナンシャルプランナー(AFP)、うえまっつんによるブログ。主に20代に向けた『お金の教養講座』『関西発!賢く暮らす知恵袋』を展開する傍ら、日々の暮らしを書いている。

【再アップ版】年末調整って、何を調整するの?

お金の基礎演習

「年末調整」

4月から新社会人になった方は、もしかして初めて聞いた言葉かもしれません。

私は…知っておりました。学生時代にアルバイトを掛け持ちしていて、

ここら辺の処理がややこしかったので、独学で勉強しました。

 

年末調整?毎年よくわからず、なんとなくでこなしているあなた。

損しているかもしれませんよ…ここで勉強しておきましょう

このページは、パソコン/タブレットから読んでいただくのがオススメです。

まずは、基本

働いて、給料をもらう。

  • 時給1000円で8時間働く:1000円×8時間=8000円
  • 初任給21万円の職場で働く

こういった形で給料が設定されていますね。

 

しかし、実際に給料を受け取るときは、ここに書かれた金額全額は受け取れません

初めて給料をもらったとき、「あれ?」と思うかもしれませんね。

 

実は、このときに給料から「所得税」が引かれています。

(実際は、給料を支払う人が、給料を受け取る人に代わって所得税を納めています)

ほかにも、給料から引かれるものがありますが、それはおいおい紹介します。

 1年の締めくくりに、「年末調整」

このとき引かれる所得税額は、「この調子で働いたら1年間でこれくらいの収入になるだろう」という見積もりで算出されているので、1年の締めくくりに精算します。それが、年末調整なのです。

 年収(税抜き)から税額が決まるまでの流れ

所得税額の決定 仕組み

(クリックで拡大)表では、基礎控除38万円、社会保険料40万円で試算しています。復興特別所得税は考慮していません。あくまで概念図としてご覧ください。

いわゆるサラリーマン(給与所得者)の場合の概念図です。

年間の給与・賞与額が300万円としたとき、それがイコールで税金の計算基礎になるわけではありません。次の2段階を経て、計算の基礎になる額(上の図で『給与所得額』)が決定します。

①給与所得控除

税引前の年収から、一定の額が差し引かれます。「個人事業主」と呼ばれる人たちは、「経費」として、帳簿をつけて差し引くことができます。ここでは、「個人事業主の経費」に相当するものだと思っておきましょう。

収入額から一定の割合で(最低65万円)、差し引かれます。

②所得控除

社会保険料の全額や、多くの家族がいる人(配偶者控除・扶養控除)、生命保険の保険料を支払った人(生命保険料控除)といった具合に、政策上課税すべきでない額をさらに差し引きます。

年末調整では、自身が障害者の場合「障害者控除」、配偶者を養っている場合「配偶者控除配偶者特別控除」、家族がいる場合「扶養控除」、生命保険料・地震保険料を支払ったとき「生命保険料控除・自身保険料控除」などが受けられます。

 

会社によっては、年末調整について丁寧にご案内いただけない場合もあるのかもしれません。その場合、受けられるはずの控除を受けられず、損をする場合があります。

ここでお勉強して、控除をしっかり受けましょう! 

書類をめんどくさがらずに書くと、ちょっとお得に?

年末調整では、会社からいくつかの書類の提出が求められます。

年末調整に関わりのある書類

  • 「扶養控除等(異動)申告書」
  • 配偶者控除等申告書」
  • 「保険料控除申告書」

これらの書類をめんどくさがらずに書くと、各種控除(先ほどの図の黄色い部分)が受けられて、ちょっとお金が返ってくるになるかもしれません。

1.「扶養控除等(異動)申告書」

どんな書類?

こんな書類です。(クリックすると拡大)↓

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一人暮らしの人と、結婚して(相手は専業主婦/専業主夫)、子ども(大学生)がいる人と、税金の負担が同じでは後者の生活が苦しくなってしまいますよね?

そこで、家族の人数に応じて所得税を軽減しましょう、という制度があります。それが扶養控除です。

誰が出す?

この書類は、扶養親族の有無にかかわらず(一人暮らしであっても)提出することになります。「年末調整の対象にしてほしい」という意思表示も兼ねている書類になります。

扶養控除について、まとめてみた>(ただいま記事作成中)

2.「配偶者控除等申告書」

どんな書類?

こんな書類です。(クリックすると拡大)↓

配偶者控除等申告書

配偶者(税法では事実婚は含まれず、民法上の婚姻関係にある人)がいて、配偶者の収入が一定以下の場合、最大48万円の控除(配偶者控除配偶者特別控除)が受けられます。平成30年分から、配偶者特別控除(38万円控除)の範囲が広がることに伴い、フォームが変更になっています。

誰が出す?

この書類は、配偶者がいる人で、配偶者に収入がないか、収入が年180万円程度までの場合、控除が受けられるので、提出した方がよいでしょう。

配偶者控除について、まとめてみた>(ただいま記事作成中)

3.「保険料控除申告書」

どんな書類?

 こんな書類です。(クリックすると拡大)↓

保険料控除等申告書

1年間(1月~12月)にかけて、生命保険料(医療保険も含め)・地震保険料・社会保険料国民健康保険国民年金保険料)を負担した場合に、社会保険料はその全額、生命保険・地震保険料は一定額が控除対象になります。

誰が出す?

 こちらは、生命保険料・地震保険料・社会保険料国民健康保険国民年金保険料)を支払った人は提出します。

記入と併せて、保険会社が発行する「保険料控除証明書(保険料払い込み証明書等)」日本年金機構の発行する「国民年金保険料証明書」を添付します。

 まとめ

 年末調整の概略と年末調整に必要な書類、ご理解いただけましたでしょうか。

不明な点がありましたら、おつとめの会社の担当者にご相談いただくか、税務に関わるものであれば、税務署にご相談くださいね。

国税に関するご相談について|国税庁

 

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