今、学んでおきたい基礎のキソ(2) 社会保険料、なんで納めるの?
"ステイホーム"な今、社会人なら知っておきたい『お金のキホン』を勉強してみませんか。前回(こちら)からシリーズで、初任給から始めるお金との付き合い方をご紹介していきます。
【目次】この記事には、こんなことが書かれています。
今回は、「社会保険料」です。
社会保険料とは、主に「健康保険料」「介護保険料」「年金保険料」「雇用保険料」からなる、公的社会保険制度を利用するための費用です。
日本に住む私たちは、知らず知らずのうちにこれら「公的社会保険制度」をの恩恵を受けているのです。実際にその費用を負担することになった今、それらの内容を今一度、確認しておきましょう。
1.健康保険料
普段何気なく使っている、「健康保険証」。
病気やけがで治療を受けたり、薬を処方されたとき、その費用が安くすむのは、「保険証」を持っているからです。
日本では、「国民皆保険制度」という仕組みがとられており、私たちはいずれかの「健康保険」に加入することになっています。
たとえば、自営業者やフリーランスであれば、市町村の「国民健康保険」に加入します。今回のように、「給料」をもらって働く人は主に「健康保険(健保組合、協会けんぽ)」に加入することになります。
今回は、後者について解説していきます。
大企業では、独自の健康保険組合などによる『組合健保』に、中小企業では、全国健康保険協会が運営する『協会けんぽ』に加入しています。あなたがお持ちの健康保険証には、保険者の欄にこれらの組合/協会の名前が書かれていますので、興味があれば探してみましょう。
・受けられる給付
→あなたが病院や薬局で支払う金額は、かかった医療費の3割です。
(義務教育就学前のこども:2割、70歳~74歳:原則2割)
→自己負担分が一定を超えたら、超えた分が軽減になります。
(高額療養費制度といいます)
→病気やけがで長期間働けない場合、給与の約3分の2が給付されます
(傷病手当金といいます)
・保険料
月々の給与に応じた"標準報酬月額"の9~11%を、勤務先とあなたとで半分ずつ支払います。つまり、毎月の給与で天引きされる金額に少し上乗せした額を、あなたの雇い主も支払います。これを「労使折半」といいます。
会社は、あなたを雇うために、給与を支払うとともに、社会保険料の半分を支払っているのです。余談ですが、人を雇うということは、会社にとって大きな投資なのです。
2.介護保険料
65歳以上になって、介護が必要になったとき、少ない負担で介護サービスが利用できる要するため、介護保険制度があります。こちらは40歳になったら加入します。そのため、大学を卒業したての新社会人など、39歳までの給料からは何も天引きされません。
・受けられる給付
【40歳~64歳】
→老化が原因で病気になり、要支援・要介護の状態になった場合、少ない自己負担でサービスを受けられる。
【65歳以上】
→要支援・要介護の状態になった場合、少ない自己負担でサービスを受けられる。
《要支援・要介護とは》
日常生活を送るために、他人の助けをどれだけ必要とするかを、7段階(要支援2段階、要介護5段階)に当てはめる枠組み。この度合いによって、サービスに対する給付をいくらまで受けられるかが決まる。
《サービスとは》
自宅で受ける訪問介護や、福祉用具のレンタル、施設で受ける特別養護老人ホームなどの介護サービスのこと。昨今では、パナソニックが介護事業を展開するなど、様々な事業者による様々なサービスが提供されています。
・保険料
こちらも、労使折半で負担します。健康保険の保険料算定に用いる標準報酬月額に、一定の介護保険料率をかけて保険料を算定します。
3.年金保険料
20歳以上、64歳未満の日本に住む人は、いずれかの年金制度に加入する仕組みになっています。20歳…というと、多くの方が大学生であるのが今の日本。たとえ大学生であっても年金制度の仲間入りをします。
日本の年金制度は「2階建て」と言われます。大学生を含む20歳以上64歳の日本に住む人が広く加入するのが、「国民年金(基礎年金)」です。
そして、今回のテーマ"給与をもらって働く人"の場合は、「国民年金(基礎年金)」に加えて「厚生年金(共済年金)」に加入しています。
出典;日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/shurui-seido/20140710.html
・受けられる給付
→65歳になったら
年金を受給できます。(ちなみに、受け取り開始時期は60歳からに前倒ししたり、65歳以降に後ろ倒しすることができます。)
→65歳にならなくても
障害者に該当する場合、障害基礎年金・障害厚生年金を受給できます。こちらは65歳以上だけでなく、国民年金(基礎年金)・厚生年金に加入している間、その障害状態にあれば受け取ることができます。
→そのほか
遺族年金など
・保険料
【国民年金(基礎年金)】
毎月一定額を納付します。(令和2年度は、16,540円です。)
学生、失業中などで納付が難しい場合は、申請をすることで、納付できなくても未納とされない特例措置があります。
【厚生年金】
保険料には、国民年金保険料を含みます。
こちらも、労使折半で、標準報酬月額の18%を労使で半分ずつ支払います。
最後に
給与から天引きされるものシリーズ、第1回目は社会保険料です。
働く人の場合は、給与から引かれる金額とほぼ同額を、雇い主も負担しているということを覚えておきましょう。そして、それらが生活の中でどのような役割を果たしているのか、改めて学んでおくと、ただただ負担しているのではなく、必要な費用であるという認識をできるのではないでしょうか。
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