"お金の『基礎演習』"~20代FPが大阪から発信!20代のお金の教養講座~

大阪のファイナンシャルプランナー(AFP)、うえまっつんによるブログ。主に20代に向けた『お金の教養講座』『関西発!賢く暮らす知恵袋』を展開する傍ら、日々の暮らしを書いている。

就活生に伝えたいこと。FPとして、先輩として。【第2回】

管理人のひとりごと

 今年も3月1日になれば、「就活=就職活動」の幕開けとなりますね。
就職活動を経験した先輩として、ライフプランの専門家であるFPとして、これから就活を行う皆さんに、いくつかお伝えしたいと思い、この記事を書いています。

異論反論あるかもしれませんが、今後の就職活動の糧にしてほしいと思っているので、読んでいただいて共感、あるいは反感をいただいたあなた、積極的にSNS等でシェアしていただければ幸いです。

※この記事は全2回構成です。
第1回目は社会人の先輩として、第2回目はファイナンシャルプランナー(FP)として、これから就職活動する皆さんに伝えたいことをまとめています。
第1回は公開済みです。こちらからお読みください。

www.osaka-fp.work

 第2回はFPとしてまとめます

筆者はファイナンシャルプランナー(2級FP技能士・日本FP協会認定AFP)です。ここでFPの役割を振り返っておきます。

ファイナンシャル・プランナーは、相談者一人ひとりの夢や目標=ライフプランをかなえるため、一緒に考えながら金融・税金・不動産・保険など様々な領域に関するプランを作成する人です。(日本FP協会より)

就職活動は、あなたのこの先何十年の人生を決めるかもしれない、大事な選択の場であるので、ライフプラン抜きでは考えることはできないでしょう。

そこで、今回はFPとして、これから就活を行うあなたへのメッセージをまとめました。

ライフプラン」を考え、それから職業を考えよう

現代は、「人生100年時代」と呼ばれています。今、この記事を読んでいるあなた、そして筆者は20代です。あと80年は人生が続くわけです。

なんとなく就職して、なんとなく結婚して…と、「ぼーっと」生きていると、80年もの長い間、暮らしていけるでしょうか。

あなたは、子どもの頃「将来の夢」を語っていたと思います。
それが語られなくなったのはいつ頃でしょうか。
でも、あなたにはきっと「将来の夢」があるはずです。

それをかなえるためのステップの一つが、「学校を出て就職する」だと私は考えます。
つまり、「就職」はゴールではありません。単なる通過点に過ぎないのです。

ライフプランにはお金がかかる

前項では「将来の夢」について紹介しました。
20代になったあなたなら、「○○になりたい」といった漠然としたものから、より深めることができるでしょう。

これから先、あなたとあなたの家族(親や兄弟・姉妹)そしてあなたが築く新しい家族(配偶者・こども)に、どのような変化があるでしょうか。
書き出してみましょう。

人生の目標を達成するためには、多くのお金がかかります。

あなたがまとめたライフプランにに、お金の動きを加味したものが、キャッシュフロー表となります。

【参考】キャッシュフロー表については、こちらをご覧ください。(日本FP協会)

www.jafp.or.jp

このライフプランは、一人ひとり異なります。なぜならあなたは世界にたった一人だからです。前回まとめたように、「周りに流され」てはいけません
あなたの人生ですから、自分で舵取りしなければならないのです。

ライフプランから、働き方を考える

前項では、ライフプランにはお金がかかることをご紹介しました。
人生の最終的な「夢」の実現に向けて、資金を用意しなければなりません。その一つの手段が、「働く」事なのです。
夢を実現させるだけでなく、日々の生活を営んで行かなければなりません。

では、どのような働き方が世の中にはあるのでしょうか。ここでいくつか紹介していきます。

会社員として働く

現在、働く人の多くは会社員や公務員として会社や役所に勤めています。
筆者自身も、現在は税理士法人という「会社」に勤め、「給与」という形で報酬を得ています。

ひとくちに会社員といっても、その働き方はいくつかに分かれます。
しかし、大前提は共通です。

会社に勤め、働き、給与を得ること。

正社員

会社に雇われ、その会社の指揮命令を受けて仕事を行う労働形態を「正社員」といいます。雇用契約はその会社とあなた自身との間で結ばれます。

マイナビリクナビなど。主要な就職情報サイトで採用活動を行っている会社の多くは、この「正社員」形態で募集しています。

この場合、契約期間を定めないことが一般的で、従来ではそれが「終身雇用」の入り口になっていたといえます。

多くの場合、給料は月給制で、初任給は平均月20万円~月21万円で、以降の成績や経験年数で上昇していく制度になっていることが多いです。また、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入し、その保険料の半分を会社が出してくれる仕組みになっています。

参考までに、初任給(学校を卒業して初めてもらう給与の平均額)と、生涯賃金(学校を卒業して60歳までフルタイムで働いたとき、退職金を除く給与の総額)を示しておきます。

・初任給

初任給を学歴別に見たときの平均額
男性 大学卒    21万円
男性 高専・短大卒 18万2千円
男性 高校卒    16万6千円

女性 大学卒    20万2千円
女性 高専・短大卒 18万円
女性 高校卒    16万2千円
厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/18/01.html

 

生涯賃金

学歴別の生涯賃金
男性 大学・大学院卒 2億6980万円
男性 高専・短大卒  2億1340万円
男性 高校卒     2億 910万円

女性 大学・大学院卒 2億1590万円
女性 高専・短大卒  1億7630万円
女性 高校卒     1億4830万円
労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2018』より
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2018/index.html

 しかし、「働き方」は正社員だけではありません。
正社員以外の働き方も、頭に入れておきましょう。

派遣社員

派遣社員は、働いている先の会社ではなく、派遣会社(パソナ等が有名)と雇用契約を結び(雇われ)、実際の指揮命令は働いている先(派遣先)の会社からうける働き方です。
給与は派遣会社から支払われます。契約期間に一定の定めがあり、法律の規定で一定の年数(原則は3年)を超えて、同じ派遣先で働き続けることはできません。

多くの場合、時間給で給与が計算され、仕事のスキルや働く時間数により個人の時給が異なり、年収も異なります。また、ボーナス・退職金はないことがほとんどで、社会保険も正社員同様の加入とならないこともあります。

「働く時期や内容を選べる」という点で自由な働き方といえますが、長期的に見た安定性には疑問符が付きます。

【関連記事:ワークライフバランス満足度、契約・派遣社員が正社員を上回る】

www.itmedia.co.jp

フリーター

厚生労働省の定義によれば、フリーターとは「年齢15歳から34歳で、学校を卒業した後、アルバイト・パートとして働いている、または働くことを希望する人」を指します。

「自由に」働くことができる反面、雇う側からすれば、同じ職場で継続して働く保障がとれないため、給与面などで待遇をよくすることに抵抗があるようです。

賃金が年齢にかかわらず、一定であるというデータもあるそうです。

非営利組織で働く

これは上記の「働き方」の類型とは少し異なる分類です。

「利益を生み出し投資者(≒株主)に還元する」といった、一般企業(営利企業)とは異なり、「利益を生み出すことを目的とせず、社会のために事業を営み、収入から支出を引いた余剰金を次の活動原資にまわす」仕組みになっている組織です。

一般に「NPO(非営利組織)」と呼ばれ、「NGO(非政府組織)」もその一つの形態です。
数はあまり多くないですが、新卒学生を募集している非営利組織もあります。

公務員として働く

公務員は、「全体の奉仕者」として、国民や、地域住民のために働く働き方で、「国家公務員法」「地方公務員法」に定めるところにより職務を全うします。

待遇面は、民間のサラリーマンのそれを参考に設定されています。

従来は、いわゆる「公務員試験」のような、それに特化した試験を受けていく必要がありましたが、地方自治体を中心に、民間企業の採用試験で使われるSPI等の試験を筆記試験として採用する動きもあります。

独立・自営で働く

大学を出てからの進路は、民間/公務員に就職するor大学院進学の2択だと思っていませんか?
大学を卒業して家業を継いだり、新しいビジネスを起こす、という進路もあります。
もちろん、しっかりとした事業計画を立てたり、商売が成功しなかった時のリスクヘッジなど、考えることはたくさんあります。

まとめ:人生を見つめてみよう

今回は、就職活動にあたり考えておくべきことを、FPとして発信していきました。
就職ナビサイトを見ていくと、「自己分析」「業界・企業研究」「選考対策」といったフェーズで就活対策をしていくことを勧めていますが、【FPの私】は、それだけではない視点を重視します。

そもそも、大学卒業後に就職することは、人生にとってのゴールではありません。
その先の、あなたがどんな人生を歩みたいと思うか、そこにゴールがあります。
そんなゴールから逆算して、今のあなたにとってベストな進路を決定していってください。大学をでて就職することは、数多くある選択肢の一つでありそれが絶対の正解ではありません。

働き方が多様化した時代です。それぞれの働き方を知って、あなたに合う働き方を見つけてくださいね。

読んでみて、分からないことなどありましたら、お気軽にお問い合わせフォームまでお問い合わせくださいね。

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