"お金の『基礎演習』"~20代FPが大阪から発信!20代のお金の教養講座~

大阪のファイナンシャルプランナー(AFP)、うえまっつんによるブログ。主に20代に向けた『お金の教養講座』『関西発!賢く暮らす知恵袋』を展開する傍ら、日々の暮らしを書いている。

就活生に伝えたいこと。FPとして、先輩として。

管理人のひとりごと

 今年も3月1日になれば、「就活=就職活動」の幕開けとなりますね。
就職活動を経験した先輩として、ライフプランの専門家であるFPとして、これから就活を行う皆さんに、いくつかお伝えしたいと思い、この記事を書いています。
異論反論あるかもしれませんが、今後の就職活動の糧にしてほしいと思っているので、読んでいただいて共感、あるいは反感をいただいたあなた、積極的にSNS等でシェアしていただければ幸いです。

※この記事は全2回構成です。
第1回目は社会人の先輩として、第2回目はファイナンシャルプランナー(FP)として、これから就職活動する皆さんに伝えたいことをまとめています。

 

まず、そもそもの話

  就職活動を控えたあなた、そもそも「大学を卒業して、民間企業で働く」ことは、自分で決めたことですか?「周りがそうしているから」とかで、なんとなくその道を選んでいませんか?まずは、「大学を卒業して、民間企業で働く」ことをなぜ選択するのか、あなたなりの意見を持ちましょう。

世の中にはいろいろな働き方があります。身近なところなら大学教授、定時の概念がない働き方をしています(立命館大学の場合...)

ブログで生計を立てているひともいますし、YouTuberという生き方もあります。
ブロガーにしても、YouTuberにしても、立派な「個人事業主」です。

実家の家業を継いで、若くして会社役員になることもあるかもしれません。

そんな、いくつもある働き方から、『会社員』を選ぶ―。
周りに流されてはいけません。

筆者自身も学生時代は「民間企業へ就職」の一択しか、選択肢にありませんでした。
就職してから、FPの資格を取り、大阪ボランティア協会に関わっていく中で数多くの出会いがあり、「多様な働き方」に気づくことができました。

 

「将来性のある会社」とは…

インターネットには、こんな記事がありました。

【就活リサーチ】就職先企業を選ぶ基準(1/2ページ) - 産経ニュース

詳しくは記事を読んでいただければと思います。
この記事を読んで、筆者は「【会社の】将来性」を求める姿勢に疑問を感じています。

「将来性」と答えた学生の中に、「長く働きたいと考えているので、定年まで潰れない会社がいい」という意見がありました。

近年、倒産件数は低調になっており、その原因の多くが「人手不足」によるものであると言われています。皆さんのような就活生に向けて、「新卒採用」をする余力のある企業であれば、簡単にはつぶれる(倒産する)ことはないでしょう。

しかし、「会社がつぶれる」には至らずとも、大きな変化を遂げている企業もあります。
たとえば、大阪に本社のある、シャープペンシルを最初に開発した企業は、今や海外資本が入っています。
自動車メーカーは、IT企業とタッグを組み、次世代型の自動車を開発しようとしています。もはや「自動車を作って売る企業」では存続できないのです。

「会社が同じ事業を発展させていく将来性」は、これから先の世の中で期待できないでしょう。「会社が変化をしながら存続していく将来性」は、会社選びの中で一つのポイントになるかもしれません。

同記事には、「過去の経験よりも、変化の激しい時代に柔軟に対応できる会社かどうか」を視点にしている学生の意見が紹介されています。このような視点を持つことは大事かもしれません。

筆者は、会計事務所(税理士事務所)に在籍しているわけですが、この業界もこれまでのやり方をそのまま続けているだけでは、おそらく事業存続は不可能でしょう。

余談)倒産に関する統計

会社が潰れる=倒産と定義したとすれば、日本で去年、いったいどれだけの会社が倒産したでしょうか。東京商工リサーチの調べによれば、去年(平成30年)、倒産した企業は8,235件です。この数値は過去30年で3番目に低水準です。10年連続で前年を下回り続けています。つまり、減少傾向にあるのです。また、倒産した企業の7割が、従業員5人未満だそうです。

2018年(平成30年)の全国企業倒産8,235件 : 東京商工リサーチ

会社に「将来性」を求めるのではない、自ら構築するもの

皆さんは、給料の原資は何か、考えたことはありますか。

給料は、あなたが「労働力」を提供した「対価」なのですが、「労働力」は誰に提供するものでしょう。

あなたの労働力は、原則として「お客様」に注がれます。お客様は、それに対し「対価」を支払います。たとえばタクシーで移動したとき、目的地まで届けてくれたことに対してタクシー代を支払いますよね?

この「対価」は一度会社を経由しますが、最終的にはあなたの「給与/報酬」として、あなたの手元に入ってくるのです。

 

「将来性のある」会社とは、この仕組みが将来にわたって継続する会社、ととらえることができますね。

では、その仕組みは誰がどうやって生み出すのか。
答えは簡単です。あなたの働きです。

あなたがその会社に入って、そこへ「労働力」を提供することで、「お客様」の満足を得て、売り上げが上がります。これがビジネスとして継続していくことで、会社は動いています。これが安定していれば「将来性のある」会社と呼ばれるでしょう。

つまり、「将来性」を会社に求めることには、疑問を感じるということです。
将来性は、あなた自身が作り上げていく。こんな気概でいてほしいと思います。

会社とは、そこに在籍していれば給料をもらえて将来が約束される場所ではありません。ビジネスを通じて売り上げを出し、そこから給料、すなわち人件費が捻出されるわけです。

 

その会社、その仕事で常に力を発揮して、自らがその会社の安定性を築けるか―。

筆者自身、就活生の時はそんなことを考えたことはありません。働き始めて、経営者の皆さんと一緒に仕事をし、会計帳簿を見つめる。そんな日々で気づかされました。
これを読んだ皆さんは、これからの就職活動で意識してみてください。

待遇は、独自制度に紛らわされるな

冒頭で引用した記事によれば、「将来性」に次いで多かった意見が「給与・待遇がよい」「福利厚生が充実」だったそうです。

筆者が就職活動をしているとき、多くの企業は「待遇」「福利厚生」を紹介するとき、自社の特色ある制度を説明していました。しかし、これには注意が必要です。
ある制度が充実していることを強調している裏側で、法律で定める労働者の権利が満たされていないかもしれません。

皆さんは、「労働法」についてどれほどの知識を持っていますか?

「完全週休二日制」と「週休二日制」の違い、知っていますか?
「有給休暇」がとれる条件は?
女性のみなさんは「産休・育休の仕組み」知っていますか?

これから会社に勤めて働きたいと思っているのであらば、「労働法」の知識をある程度でよいので仕入れておくべきだと思います。

筆者が読んだ本で、わかりやすかったのはこちらです。
【本の紹介】

ブラック企業」が近年取り上げられるようになったのは、労働基準法などの法律が定める最低限の労働環境について、経営者や従業員が知らないため、死亡事案が起こるなど、大きな問題になるまで環境改善がなされなかったからだと考えます。
また、経営者が「法律を知っていながら」あえて違法状態で働かせていた、悪意のある事例もあるのかもしれません。

これまた、学校では教えてくれない…

働く人を守るための規制や、相談する仕組み(労働基準監督署等)の存在は、なかなか学校では教えてくれません。
しかし、大事なことであるので、自分で勉強して、知識として持っておいた方がよいでしょう。

これから就活するあなたは、これらの知識を持った上で企業の説明会などに臨む事をおすすめします。少しでもおかしいと思ったら、質問してみてもよいですし、怪しさを覚えた企業の選考は辞退するのも手かもしれません。

もちろん、「ハードな仕事」ということを理解した上で、それでも自分の理想をかなえるため、あえて茨の道に飛び込む事はしてもよいと思います。しかしこの場合も自己防衛として、知識は持っておきましょう。

まとめ:自分の人生、自分で生きろ

今回は、もうすぐ社会人生活まる1年になる、一人の先輩として、これから就活に臨むあなたに対して、伝えたいことをまとめていきました。

将来性のある会社を求めたくなるかもしれませんが、会社に求めるだけではなく、自ら行動に移すことが求められます。その先に、明るい将来が待っていると思います。

そもそも会社員として働くという進路を選択するところから、自分の意思で考えていってほしいです。周りがそうするから・・・という理由は、「周りの人に答えを求めて」いるのと同じだと思います。

そして、働く上で待遇や給与を心配するでしょう。会社はあなたが「無知」であることを利用して、ブラックな条件を突きつけてくるかもしれません。そんな会社には入りたくないですよね。だから、知識をつけましょう。労働法の解説書を1冊ざっと読むだけでも十分です。働く上でのルールを頭の引き出しの一つにしておきましょう。自分を守ることにつながります。

>>2回目はファイナンシャルプランナーとしてまとめます

この記事の第2回目は、ファイナンシャルプランナーとして、主にお金の面から、これから就活に臨むあなたに伝えたいことをまとめることにします。

働くことの大きな意味は、報酬を得て自立した生活を歩むようになれる、ということです。ずばり、これまたあまり学校では学んでこなかった分野です。

もちろん働き始めてから考えればよいでしょう。でも、できれば就活のタイミングで、ライフプランについて考えを深めてほしいと思います。

 

 

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