"お金の『基礎演習』"~20代FPが大阪から発信!20代のお金の教養講座~

大阪のファイナンシャルプランナー(AFP)、うえまっつんによるブログ。主に20代に向けた『お金の教養講座』『関西発!賢く暮らす知恵袋』を展開する傍ら、日々の暮らしを書いている。

今、学んでおきたい基礎のキソ(1) 給与明細、開いてみました?


お金の『基礎演習』

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

特に、この4月から社会人になった皆さんは、COVID-19によって、これまで誰もが経験してこなかったような社会人生活の始まりを迎えたことかと思います。ここまで盛り上がらない(?)5月の大型連休も初めてではないでしょうか。

そんな中で迎えた社会人初の給料日、初任給を手にされたことでしょう。
「あれ、少ないな」と思ったり、はたまた金額以上の重みを感じたり。いろいろな感想を持ったのではないでしょうか。

"ステイホーム"な今、社会人なら知っておきたい『お金のキホン』を勉強してみませんか。今回からシリーズで、初任給から始めるお金との付き合い方をご紹介していきます。

『給与明細』開いてみましたか?

あなたは、初めての給料、どこで確認しましたか?

銀行で通帳に記帳して?それとも、スマホアプリで?

銀行振り込みではなく、現金手渡し?

給料日に銀行口座に入金になったり、現金を渡されたり―。

「社会人になったんだ」という感慨にふけったことでしょう。

手取りと額面と

あなたが預金通帳で確認した金額=会社から支給された額 ではありません。

皆さんは、「手取り」という言葉を聞いたことがありますか?

 手取りとは、一般的に、『収入から税金や社会保険料を差し引いた残りの、手元に入ってくる金額』を指します。

対して、『額面』という言葉もよく使われます。こちらは、収入の額そのものを指すことが多いです。

「額面」と「手取り」の間に何が引かれているのか。それを教えてくれるのが、給与明細なのです。

 給与明細を読んでみよう

では、給与明細をお手元にご用意ください。

給与明細のイメージ画像

給与明細は、主に「勤怠」「支給」「控除」の3部構成になっています。

①勤怠

 こちらは、給与計算の対象月に何日出勤し、何日有給を取得した…といった、給与計算の基礎情報がまとめられています。時間外勤務の情報なども記載されます。

実際の出勤日数と違う、時間外勤務時間(残業時間)が少なすぎる…気になる点があれば、人事担当部署に問い合わせてみるとよいでしょう。

②支給

 こちらは、基本給や各種手当といった、会社から給与として支払われる金額がまとめられています。

会社によって制度が異なりますが、基本的には以下のように分類できます。

・基本給

 勤続年数や役割によって決まることが多い。ボーナスや退職金などのベースになる、基本賃金に該当。

・時間外労働手当

出勤日に所定労働時間を超えて働いた場合(いわゆる残業)に支払われる割増賃金。

最近では、「固定残業代」として、一定時間分の残業を見越して、実際の残業時間にかかわらず支給する方法もとられています。(こちらは、その見越した残業時間を超えた分を割り増し支給する限り適法であるといわれています)

こちらの計算方法については、こちら で詳しく紹介しています。

大事なことなので、是非確認を。

 →残業代の計算方法について(Coming Soon)

・深夜労働手当

深夜時間帯(22時~翌朝5時)に働いた場合、前述の『時間外』手当に加えて25%の割り増し支給する決まりになっています。

・休日手当

休日に出勤した場合に、割り増し支給するきまりがあります。

(ただし、この『休日』の定義がちょいとややこしい…)

・各種手当

この「手当」については、各企業の個性が表れます。

地域による物価差を踏まえて「地域手当」が支払われる企業があります。東京など首都圏は関西圏に比べ家賃相場が高いなど、物価の地域差を埋めるための仕組みです。

仕事に関係のある資格の取得を進めるために、「資格手当」を出す企業があります。

・通勤費

通勤にかかる費用として、通勤区間の定期券代を支給する企業が多いでしょう。

こちらは、一定の範囲内であれば税金がかかりません。

③控除

先に紹介した、「手取り」は、②の支給額から、以下紹介する項目を引いた残りの金額です。控除の各項目については、とっても大事な項目がたくさんあるので、それぞれの解説を個別の記事で扱っていくことにします

社会保険料(健康保険、雇用保険、年金)

保険証を窓口で提示して、診察を受けた後、窓口で支払っているのは、かかった医療費の3割です(3割負担の場合)。当たり前のようになった制度なので忘れがちですが、実際の医療費はあなたが窓口で支払った金額の3.3倍だということです。これは健康保険に加入しているからなのです。

もしあなたが失業してしまったとき、次の仕事を探している間、収入が途絶えてしまいます。そんなとき、国からお金が支給されます。この制度が「雇用保険」です。

定年退職して、老後の生活…。働いていた頃の蓄えと、年金と。年金は、働き盛りの時に納めていたことで、受給権を得られたり、金額が決まります。

これらの掛け金、一般に「社会保険料」といいます。社会保険料は毎月の給与から天引きされて、会社があなたの代わりに納めているのです。

 →社会保険料、なんで納めるの?(Coming Soon)

www.osaka-fp.work

・税金(所得税、住民税)

 働いたりして収入を得たとき、その収入に一定の割合で税金がかかります。

給与をもらって働く人の場合は、「源泉徴収」といって、給料を支払う時点で決まった額を税金として雇い主が預かり、あなたに変わって国に納める仕組みとなっています。

あなたが住んでいる都道府県、および市町村に納める住民税も、同様にして雇い主が預かってその自治体に納める仕組みです。

詳しくはこちらへ。

 →給与から引かれる税金って(Coming Soon)

www.osaka-fp.work

・そのほか

 そのほか、「団体保険の掛け金」「社員への貸付金の返済」といった、控除項目がある場合があります。

ちなみに、労働基準法には、「賃金全額支払いの原則」という規定があります。雇い主がやたらと理由をつけて給与から様々な項目を差し引き、従業員の生活が成り立たないような額のみ支給することを防ぐ規定です。

この規定により、給与から控除することができるのは、社会保険料や税金といった「法令に定められた項目」および、労使協定で締結した内容に限られています。

 最後に

給与について考えるとき、手元に現金として入る、「手取り」を意識してしまいます。

しかし、実際の給与は「支給額」で考えたほうがよいのです。

給与から控除されている金額は、生活するのに必要な費用であって、雇い主が"預かって"あなたの代わりに払っているのに過ぎないのです。だから、あなたの収入は「支給額」が本来の額です。

これらのことは、学校ではなかなか教えてもらえないのですが、社会人にとって大切なことです。

 

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