阪急でICOCA定期券発売―PiTaPaと比べてみました。
ついに、阪急・阪神・のせでん・北急で、ICOCAと、ICOCA定期券の発売が、今年3月1日(金)からはじまります。今まで、阪急・阪神は頑なにPiTaPaを推進していたようですが……ついにICOCAの波が到来したようですね。
今回は、FPとして、「賢く」ICカードを活用して電車を利用できるように情報をおつたえいたします。
【目次】この記事には、こんなことが書かれています。
もうすぐ、新しい仲間が
3月1日(金)より、阪急でもICOCAカード・ICOCA定期券を発売します!
— 阪急電鉄【公式】 (@hankyu_ex) January 26, 2019
●従来からあるチャージ不要のポストペイ方式の「PiTaPa」
●チャージ必要ながら手軽に持てるプリペイド方式の「ICOCA」
皆様のスタイルに合わせて使い分けてください。
☆詳細はリリースにて[PDF]
→ https://t.co/6ywdFbqvuW pic.twitter.com/FD7lHlV6nU
ICOCAとPiTaPa
ICOCA(イコカ)とPiTaPa(ピタパ)―。関西人ならおなじみの、交通系ICカードですね。ここで、改めて両者の性質を確かめておきましょう。
ICOCA(イコカ)
JR西日本が発行する、プリペイド式のICカードです。
JR西日本や京阪・南海などの券売機で購入することができます。
予め、カードにチャージ(入金)しておくことで、電車に乗車できるようになります。
チャージすることで、繰り返し利用できます。
また、電子マネー機能があり、先述のチャージによって入金した金額内で買い物ができます。
JR西日本に限らず、後述のPiTaPaエリアや、全国のICカード(Suica等)のエリアでも、そのまま利用できるカードです。利用エリアはこちらを参照
PiTaPa(ピタパ)
主に、関西の私鉄を中心に構成する「スルッとKANSAI」が発行する、ポストペイ式の交通系ICANVASカードです。
このカードは、日本で(おそらく)唯一の「後払い」式カードです。
毎月1日~末日まで電車・バスに乗車した金額を集計し、翌々月10日に、指定の銀行口座から引き落としになる、クレジットカードに似た仕組みとなっています。
そのため、発行までは2~3週間ほどかかります。
PiTaPaにも、買い物の決済に使う機能があり、こちらもクレジットカードのように、後日口座引き落としで支払となります。
今回、阪急阪神ほかで何が起こるのか
2019年1月24日に阪急電鉄から発表されたプレスリリースによると、ことし3月1日から、阪急電鉄・阪神電車・能勢電鉄・北大阪急行で、次の取り扱いが始まります。
- 各社の券売機・定期券発売所などでICOCAの発売
- 各社でIC定期券の発売
これまで、阪急ほか3社では、ICOCAを使うことはできましたが、購入することはできませんでした。定期券については、磁気券(自動改札機に通すタイプ)か、PiTaPa定期券(PiTaPaカードに情報を書き込み、タッチで使えるタイプ)のどちらかを選択することになっていました。
筆者は、学生時代阪急電車で通学していたことがありましたが、当時はPiTaPaを持っていなかった(持てないと思っていた)ので、しばらく磁気券で通学していました。
変更点は定期券にあり
これで、阪急ほか3社では、定期券を発行するとき、PiTaPaかICOCA、そして磁気券、三つから選択することができるようになります。今回は、それぞれのメリット、デメリットをまとめて、それぞれがどんな方にオススメなのか、筆者なりの分析をしたいと思います。
磁気定期券(自動改札に通すやつ)
メリット
・どのような定期券でも発行できる。(IC定期券は非対応となる区間があるらしい)
デメリット
・紛失すると、再発行できない
・パスケースから出して、自動改札機に通すのが面倒(しかも、最近IC専用改札が増えた)
こんな方にオススメ
・IC定期券に対応している区間なら、ICOCAかPiTaPaかで定期を作った方が便利。
ただし、紛失したときが怖いですよね…
ICOCA定期券(プリペイド式)
メリット
・紛失時に利用停止、再発行ができる。
・各駅の券売機で購入でき、誰でも持つことができる。
・(阪急電鉄のみ)回数券、現金と併用できる
→条件付きで、定期券と回数券を組み合わせて運賃精算ができるようになりました。【詳細】
・チャージしておけば、全国の各種ICカードエリアで利用できる。
デメリット
・Osaka Metroほかでのお得な割引制度が利用できない。
・チャージが面倒(忘れていると、改札で止められる)
こんな方にオススメ
・定期券区間以外にはあまり出かけないけど、定期券の紛失が心配
・出張などで関西から出ることが多い
・定期券区間外に頻繁に出かけるため、定期券と回数券を併用してきた
・PiTaPaの申し込みが邪魔だ
PiTaPa定期券(ポストペイ式)
メリット
・近畿圏の多くの交通機関(JRも含む)が、チャージ不要で乗車できる。乗り越しても自動精算されます。
・紛失時に利用停止、再発行ができる。
・Osaka Metroなどで、お得な割引サービスが受けられる【詳細はこちら】
(Osaka Metroは1回乗るだけでも1割引になります)
デメリット
・申し込みからカードの受け取りまで時間がかかり、発行できない場合がある
・他の乗車券類と併用できない
・後払いで利用できる交通機関と予めチャージしておかなければならない交通機関があり、近畿圏以外に出かける頻度が多いと逆にわかりにくくなる
こんな方にオススメ
・定期券区間外以外にも、いろいろお出かけをする
・チャージが面倒で、気にせず使いたい
・Osaka Metroをよく利用する
まとめ:ライフスタイルに合わせて利用できる、なんと贅沢な。
いかがだったでしょうか。3月から、阪急系列の各社では、PiTaPaとICOCAの両方で、IC定期券を発行できるようになります。同じ近畿圏の交通機関では、Osaka Metroや京阪など、定期券の発行をICOCAのみで取り扱っているので、両方対応になる阪急系列は、かなり贅沢な選択ができることになります。
Osaka Metroがとってもお得になり、チャージが要らないPiTaPaか、手軽で使いやすい、プリペイド式のICOCAか。あなたのライフスタイルに合わせて選んでみるのも、よいかもしれません。
通勤、通学で毎日使う電車。少しでも「賢く」使えるとよいですね。
参考ページ
阪急、阪神、能勢、北急におけるICOCAおよびICOCA定期券の発売開始日について|鉄道情報 お知らせ|阪急電鉄
精算機における回数券とICOCA等を組み合わせた利用について|鉄道情報 お知らせ|阪急電鉄
ちなみに、このICOCA発売で、「阪急阪神レールウェイカード」が終売になる模様です。詳細はこちら
関連記事
もし、電車が止まったら―。「振替輸送」で別の路線を使えるかもしれません。
詳細は、こちらの記事を参照してくださいね。