"お金の『基礎演習』"~20代FPが大阪から発信!20代のお金の教養講座~

大阪のファイナンシャルプランナー(AFP)、うえまっつんによるブログ。主に20代に向けた『お金の教養講座』『関西発!賢く暮らす知恵袋』を展開する傍ら、日々の暮らしを書いている。

2020/05/18 「サザエさん」から考える、令和の家族のカタチ

管理人のひとりごと

 

日曜日の18:30、日本全国のお茶の間に流れるは、アニメ「サザエさん」。
昨日は久々にこの番組を見ておりました。

途中で、見ているのがしんどいな、と思うようになり、チャンネルを変えるか迷っていたら、番組は終了―。

今日は、このしんどさの正体を、少し考えてみましょう。 

今日の大阪

新型コロナウイルス感染症大阪府の今日の数値です。

www.pref.osaka.lg.jp

昨日(5月17日)ついに大阪府内の新規感染者が0人になりました。

まだまだ、余談は許さないとは思いますが。

ウイルスと仲良くしながら、うまくやってくしかないんでしょうねえ。

サザエさん」の違和感

サザエさん、といえば、1969年から放送される、日本一、いや世界一のご長寿アニメ番組です。

家族構成の説明は…しなくてもよいでしょう。

サザエさん一家の家系図と卒業大学に物申す!: ユビトマ

 

筆者は曲がりなりにファイナンシャル・プランナーなので、ライフプランという視点から家族のカタチを考えることがあります。すると、サザエさんで描かれている家族観というのは、令和の今のスタンダードとは少々乖離しているように思います。これこそが、筆者の感じた違和感の正体です。

筆者が感じる"違和感"

・多世代同居

波平・フネ夫婦に、その子どもたち(サザエ・カツオ・ワカメ)そして娘婿のマスオ、マスオとサザエの子どもであるタラオ。

令和の今日、これだけの多世代で同居することはあまりないように思います。
核家族化が進んでいる、ということです。筆者を含め、家族がそれぞれ遠く離れたところに住んでいる、ということもごく普通です。

昨今のコロナ禍で、5月大型連休での帰省もできず、、、という方も多いことでしょう。

 

 ・家事をするフネとサザエ、外で働くマスオと波平

令和の今日この頃では、両親共働きという世帯が増えて、妻専業主婦、夫会社員といった世帯は減っています。そもそも経済的に共働きを選ばざるを得なかったり、女性の社会進出が進んでいることがサザエさんの描かれる時代との差でしょう。

 

・夕方には帰ってくる「マスオと波平」

マスオと波平の帰りが遅くなる理由…「赤ちょうちんで一杯…」がほとんどだったのではないでしょうか。「今日は残業で…」といった描写はなかったように思います。

家族が全員そろって、食事をする。そんな「お茶の間」の景色、現代ではなかなか難しい…長時間労働で帰りが遅いとか、子どもたちも習い事や塾で忙しいということから、コ食(孤食・個食・子食…)といった言葉もあるくらいです。

"サザエさん"が正解ではない

50年以上という長い時間、あの作品が流れ続けていることで、「家族のあるべき姿」はこうだ、と世の中に訴えかけているような気がしてしまいます
筆者がここで言いたいのは、「サザエさん」が政治的プロパガンダだとか、あんなものを茶の間に流すな、ということではありません。

 

サザエさんという作品が描く時代は令和の今日ではなく、戦後(昭和)の時代です。つまりある種の『時代劇』『朝の連続テレビ小説』のような見方に近いのです。ちびまる子ちゃんのように、「百恵ちゃんのテレビ」「チャンネルをひねる」「駄菓子屋」といった表現が少なく、現代の物語ではと錯覚しがちなので、筆者のような人間が久々に見ると違和感を感じてしまうのでしょう。

 

当然、昭和の時代と令和の今日では生活様式や経済状況、社会課題…は全く違います

一家の主が波平のように敬える存在ではない家庭もあります。例えば家族に手を上げてしまう、子どもに性的なことを要求する…痛ましい事件も数多く起こってしまっているのが現実です。
「子どもが親を敬う」ことが「しんどい」なら、無理にする必要はないのです。

「妻:専業主婦、夫:会社員」は理想ではなく、一つの選択肢です。共働きという方法を選ぶのも間違いではないし、子どもを産むかどうかだって夫婦の選択です。

つまり、サザエさんは理想ではなく、一つの家族のカタチであるということです。
令和には令和の、家族のカタチがそれぞれあっていいと思います。

「お金の勉強」をするための書籍をいくつか入手して読みましたが、「就職・結婚・住宅購入・子ども・教育費・老後」というセットが教科書には描かれていて、あたかもそれが「普通」、それ以外は「例外」である印象を受けました。

前述のセットを経験した家庭が「モデル」となって、様々な事例を議論するような記事が、特に新聞にはよく出てきます。

でも、選択肢はたくさんあると筆者は思っています。それぞれの選択を尊重して、それぞれに合わせたプランニングを提案できる、そんな専門家でいたいものです。

 

"サザエさん"止まりの政策たち

 一方で、時の政権与党の考え方もあってか、国や地方の政策は、まだまだ『サザエさん』時代で止まっているように思います。こちらも時代に合わせて適切に変化させていくべきなのではないかと思います。

事例1:「国民一人に10万円」給付金

コロナ禍での経済対策として、『特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関連)』の支給が決まりました。

こちら、給付対象者は、「基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者」とされています。一方で受給権者は「受給権者は、その者の属する世帯の世帯主」とされています。

こちら、世帯主でない人は、「受給対象ではあるけど、国から直接受け取る権利はない」ことになります。おかしくないですか?おそらく、地方自治体の事務手続き上の問題(世帯構成員それぞれの口座に振り込むことは現実的に難しい)ということもあるでしょうが…。

サザエさん一家のように平和な家族、常識ある世帯主であれば口座に家族全員分振り込まれたら、大事に取っておくか家族で必要な出費に充てるでしょう。
しかし、前述のような問題を抱えた家庭環境だったら、世帯主がギャンブル依存症だったら…せっかくの政策が正しく作用しません。

DV被害に遭って、配偶者から避難している場合や、理由があって親元から離れて生活する子など、事情がある場合は世帯主以外でも支給するように、国は地方自治体に通達しています。そんなややこしいことをするなら、「受給権者=受給対象者」として、運用上「世帯代表者にまとめて振り込むことを原則とする」とでもしておいたらよいのでは、と思います。法律には疎いので、なんともいえませんが。

 

少々長くなってしまったので、ここら辺で折り返しとしましょうか。

続きはまたあした。

 

 

 

現場からは以上です。

 

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